コラム

定例会議や進捗会議を有意義にするにはどうすれば良いか?

2017.08.22

「あーぁ、また進捗会議か。出たくないなぁ。」
「定例会議、毎回つまらないんだよね。」
定期的に行われる定例会議や進捗会議は、なぜか気が進まないものですよね?

とはいえ、多くの組織で定期的な会議が開かれているのですから、(本当は)何か意味があるはずです。
今日は、
「定例会議や進捗会議を有意義なものにするにはどうすれば良いか?」
について考えてみたいと思います。

定例会議や進捗会議がつまらない原因

そもそも、私たちはなぜ定例会議や進捗会議を
「つまらない」
と感じてしまうのでしょうか?
その原因として、例えば次の3つが考えられそうです。

① 単なる報告・共有の場になっている
② 他のメンバーの報告に興味が持てない
③ 似たような議題が繰り返される

詳しく見ていきます。

① 単なる報告・共有の場になっている

定例会議や進捗会議では、口頭だけの説明で終わることはなく、報告用の資料をもとに説明するのが一般的です。
そこで、多くのメンバーが
「読めばわかること」
の報告に終始してしまうので、
「どうして読めばわかることをわざわざ集まって聞かなきゃいけないの?」
という疑問が湧いてしまい、だんだん会議がつまらなくなってしまうのだと思います。

② 他のメンバーの報告に興味が持てない

定例会議や進捗会議では、参加メンバーが順番に報告していくのが一般的です。
その際、報告するメンバーは誰に向けて話しているかというと、多くの場合その会議のリーダー(責任者)です。
報告を聞き終えたリーダーは、メンバーに対しいくつか質問します。
つまり、多くのメンバーが集まった会議なのに、リーダーと報告中のメンバーの1対1のやりとりが人数分続くだけの会議になっています。
会話に加われない(加わらない)メンバーは、他のメンバーの報告が他人事に思えてきて、
「こんなことしてるぐらいなら、早く席に戻って別の仕事したいんですけど」
と考えるようになるのではないでしょうか?

③ 似たような議題が繰り返される

例えば営業部門の定例会議で、売上目標達成が困難だとわかった場合を考えます。
その時、次の2つのような意見が出ることが良くあります。

<ケースA>
リーダー:「休眠顧客の掘り起こしをして、とにかく可能性のありそうな顧客にアプローチしてみたらどうなの?」
メンバーの心の声:(またそれですか?去年も同じことやらされて、効果なかったのを忘れちゃったんですか?)

<ケースB>
リーダー:「前から言ってるけど、提案の好事例集をそろそろまとめようよ」
メンバーの心の声:(いつも掛け声だけ。いつ具体的にまとめるつもりなんですか?)

上の例のように、本質的な問題解決をせず場当たり的な対応が多かったり、
思いつき・掛け声だけで具体化しないと、メンバーは会議に後ろ向きになってしまいます。

定例会議・進捗会議を有意義にする方法

では、定例会議や進捗会議を有意義なものにするにはどうすれば良いのでしょうか?
私からの提案は2つです。

定例会議を「問題」を共有し全員で「解決する」場と定義する

定例会議を単なる報告に終わらせることなく、
各メンバーが抱える問題を共有し、解決する場、と定義してみてはいかがですか?

問題の共有

「問題」を共有するというのは、ネガティブな状況について全員に話さなくてはないわけで、心理的に難しいことです。
なので、多くの場合
「特に問題ありません。」
と答えてしまうのだと思います。

そんなときは、
「なるほど。とはいえ、しいて言うとどんな問題がありそうかな?」
と質問することをお勧めします。

すると
「しいて言うと…」と、メンバーが問題について話し始める可能性があります。

問題を共有してくれたメンバーには、
「ありがとう」
とねぎらいの言葉をかけることが効果的です。

解決策を全員で考える

問題が共有されたら、次は解決策の検討です。
(本来の問題解決では原因究明が含まれますが、ここではあえて話をシンプルにしています)

問題解決の際に重要なのは、
「リーダーは解決策を提示するのではなく、参加メンバーの考えを引き出すこと」
です。

解決しなくてはいけない「問題」を聞いてしまうと、リーダーは解決策を指示したくなるでしょう。

ただその前に、
「もしかすると他のメンバーも同じような問題を抱えているかもしれない」
「他のメンバーが似たような問題を解決した経験があるかもしれない」
ということを意識して、積極的にメンバーの意見を聞いてみてください。

そうしたやりとりを続けることで、全員が会議に対して前向きになる可能性が高まります。

定例会議をPDCAサイクルの一部として機能させる

会議の結果として起こってほしくないのは、
「言いっ放し」と
「やりっぱなし」の2つです。

「言いっ放し」とは、アイデアは話すものの、
具体的な行動計画まで落とし込むことなく話が流れてしまう状態です。

そして「やりっぱなし」とは、行動の結果を検証しないことを指します。

そうなるのを防ぐお勧めの方法は、
「定例会議をPDCAサイクルの一部として機能させる」
ことです。

アイデアを具体化する(言いっ放し防止策)

以前のコラム「理想の会議ってどんな会議?」でも書きましたが、
会議では次のアクションにつながる具体的な結論が出ることが重要です。
これは、PDCAの”P”、”Plan”が決まることと同じです。
良いアイデアが出たとき、それを「話だけ」に終わらせないように
「では具体的にどうしましょうか?」
「担当は誰にしますか? いつから着手しましょうか?」
といった質問を投げかけて、具体的に考える習慣をつけることが重要です。

こうして「言いっ放し」を防ぎます。

定例会議を前回の振り返りからスタートする(やりっぱなし防止策)

次に「やりっぱなし」を防ぐ方法です。
具体的な解決策や行動を決めても、
「その結果がどうだったのか?」
を検証する会議はとても少ない気がします。
なぜか、会議はいつも「新たな施策」を話し合う場になりがちです。

そこで、
「定例会議は前回までの振り返りからスタートする」
ことをお勧めします。

「前回決めたことが実行に移されたか?」
「それは現在どんな状況か?」
「結果はどうだったか?」
「うまくいったとしたら、それはなぜか?」
「うまくいかなかったとしたら、それはなぜか?」
といった質問を投げかけて、深く理解するようにつとめます。
PDCAの”C”、”CHECK”を機能させるイメージです。

そうすることで、
「いつも似たような議題を話している状態」
から脱却し、
「意味のある議論ができる状態」
に近づけるのではないでしょうか?

いかがでしたか?
今日は、どちらかというと「リーダー」として定例会議や進捗会議を有意義にする方法、
という観点でお伝えしましたが、
ここでお伝えしたことは会議のメンバーであっても意識してほしいことばかりです。
皆さんの貴重な時間を退屈な時間にしてしまうのはもったいないので
「他のメンバーの問題は、自分の抱えている仕事にどんな示唆がありそうか?」
と考えてみるだけでも、十分有意義に過ごせるのではないかと思います。

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