コラム

会議のアジェンダに記載すべきことは何か?

2017.06.07

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みなさんは、会議やミーティングを開催するときにアジェンダを作成していますか?
アジェンダには何を書けばいいのか悩んでしまう人は多いようです。

これ、実はよく質問されるのですが、アジェンダに書かなければいけないことはとてもシンプルです。

というわけで、今日は「アジェンダに記載すべきことは何か?」についてお話しします。

アジェンダとは何か?

アジェンダの話をする前に、アジェンダを定義しておいた方が良さそうです。
何でもカタカナになるとわかりにくいですし。
会議のアジェンダとは、一言でいうと「議事進行案」です。
これならわかりやすいですよね。

アジェンダに記載する内容とは何か?

アジェンダには、ざっくり言うと以下のことが盛り込まれていればOKです。

① 会議(やミーティング)の目的
② 会議のゴール
③ 開催日時
④ 開催場所
⑤ 出席予定者とその役割
⑥ 議事進行案(狭義のアジェンダはこれを指します)

会議の目的とゴール

まず、①目的と②ゴールについてお話ししましょう。
「目的」と「ゴール」は、似た言葉ではありますが実は異なるものです。

① 会議の目的

目的は、「なぜこの会議が開かれるのか」を表しています。
会議を開く大義、”Why”と表現してもいいかもしれません。

例えば営業会議の目的を考えてみましょう。
「今期の売上目標を達成するため」、あるいは「顧客と良好な関係を築くため」に会議が開かれていることが多いですよね。

ゴールより、一段抽象度の高い概念ともいえます。

② 会議のゴール

ゴールは、「この会議で決めたいこと」、「目標」です。
「何を目指しているのか」、つまり”WHAT”と言い換えることができます。
ゴールを決めておくと、会議の成否を判断することも可能です。
例えば、会議終了時点で「ゴール」に到達していなければ(決めるべきことが決まっていなければ)、その会議は不調だったと判断することができます。

先の営業会議を例にとると、例えば以下のようになります。
目的 = 今期の売上目標を達成するために
ゴール= 今期中の営業のアクションプランを決めること

アジェンダの中で一番大切なのは、ゴールです。
緊急の集まりでアジェンダを作れなかった場合でも、ゴール、つまり「その会議で決めたいこと」を決めておく必要があります。ゴールのないまま会議を開いても、何を話し合えば良いのかわからなくなりますよね。

ファシリテーターと議事録担当

③開催日時④開催場所については説明不要ですので、⑤の「出席予定者とその役割」に関してみていきましょう。
会議のファシリテーターと議事録担当は、事前に決めておくことをおススメします。

よく会議が始まるときになって、「今日の進行役は誰がやるの?」と言い出したり、
会議が終わってから、「今日の議事録は誰がまとめるの?」と言っていることがありますよね。
ファシリテーターはその会議の中だけではなく、会議が始まる前からやることがありますので、
その場になってから誰が担当するか決めるわけにはいかないのです。これについては、また別の機会にお話ししますね。
議事録担当については事前に決まっていなくても構いませんが、その会議の冒頭には決めるようにしましょう。

ファシリテーターが議事録担当となっているケースが散見されますが、それはなかなか難しい状況を生みます。
なぜなら、ファシリテーターと議事録担当では、決定的に役割が違うのです。
ファシリテーターは個々の発言の細かいことを覚えていることよりも、
会議全体の流れや参加者の発言要旨や反応などを俯瞰する視点、つまり、鳥の眼が必要となります。
それに対して議事録担当は、会議全体の流れよりも、各参加者の発言を逐語録に近い形で記録していきます。
ファシリテーターが鳥の眼だとすれば、議事録担当は虫の眼と言えます。

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議事進行案の作り方

最後に⑥の議事進行案の作成にあたって、大事なことは何かをみていきましょう。
その会議で、どんな議題をどの順番で討議すべきかを列挙します。
さらに、それぞれの議題の時間配分を明記しておくことをおススメします。

議事進行案作成にあたって大事なことは大きく分けて3つあります。

① 議題を具体化しすぎない
② 議題ごとの時間配分を決めておく
③ アクションの振返りと前回積み残した課題の確認を盛り込む

① 議題を具体化しすぎない

まず、議題を極端に具体化しないことです。
つまり、議題の中に今後の解決策、施策が潜り込まないようにした方が無難です。

例えば、
「予算達成のために何をすべきか」
というテーマの会議で、議題の中に
「新規顧客をどのように開拓すればいいか」
という議題が盛り込まれているとします。
すると、足りない分は新規開拓することが前提になっているように見えます。
施策(手段、解決策と言い換えても良いかもしれません。この場合は「新規開拓すること」)
が規定されていると、それに疑問を抱く人にとっては前向きに参加できない会議になってしまいますよね。
それよりも、
「予算達成のための施策を洗い出す」、
「妥当な施策を絞り込む」
という議題を挙げておくのが良いのではないでしょうか。

「洗い出して絞り込む」
というプロセスは、汎用的な会議の進め方(議事進行案)ですので、覚えておくと便利です。

② 議題ごとの時間配分を決めておく

次に、それぞれの議題に費やす時間を見積もります。
議題によっては、議論が難航されることも考慮し、メリハリをつけた時間配分をすることが望ましいでしょう。
もしも、2時間以上の会議を開催するのであれば、休憩時間もあらかじめ見込んでおくことをおススメします。
休憩することで、気分がリフレッシュして集中力を取り戻すこともできますし、頭を冷やす効果もあります。
となると、激論が予想される議題の直後あたりに休憩を入れるのも一案です。

③ アクションの振返りと前回積み残した課題の確認を盛り込む

特に定例会議について言えることですが、会議の冒頭では前回決めたアクションプランの振返りと、
前回積み残した課題の確認から始めましょう。
さらに、会議の最後に、今日の会議の成果の確認=何が決まった、何が決まっていないか、を明らかにしましょう。

決まったことは、
「誰が」、
「いつまでに」、
「何をするのか」
がアクションプランに落ちていることが大事です。

決まっていないことや新たに出てきた課題については、
「誰が」、
「いつ」、
「どのような形で取り扱うのか」
を全員で確認し、共有しておかなければ、その後のアクションに繋がりません。

計画して実行に移し、そして振り返る会議がPDCAサイクルの〝Plan”と〝Check”の機能を果たすと、アクション(実行)の質が高まるはずです。

いかがでしたか?
会議のアジェンダを準備し、会議に臨むことで、ふだんの皆さんの会議の質と効率がぐっと高まるはずですので、ぜひアジェンダを作ってみてください。
できるところから、例えばゴールを決めるだけでも十分意味があると思います。

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